このサイトについて
このサイトについて

商社の主な取引形態は、国内取引、輸出取引、輸入取引、外国間取引の4つ。
情報調査機能を担う組織は、コーポレート部門の調査部であったが、商社によっては、三井物産戦略研究所と双日総合研究所のように完全に子会社化している場合と、本社にあっても三菱商事国際戦略研究所、丸紅経済研究所などのように研究所を名乗る組織もあり、各社各様だ。
グループ経営の強化は、買収先での不祥事発生の遠因ともなりうる。
高度経済成長を背景に、商社は高炉メーカー向けに鉄鉱石や原料炭の調達、鉄鋼製品の輸出と海外市場開拓などの機能を担い、三井物産、三菱商事、住友商事における鉄鋼部門の社内の位置付けは最も高かった。また、関西五綿と呼ばれた伊藤忠商事、丸紅、旧トーメン、旧ニチメンなどが総合商社に脱皮できたのは、この部門を取り込んだことによる。
ロッキード事件や安宅産業の崩壊、ーJPC問題などを機会に、リスクに対する意識が高まる。
ちなみに商事は前の中期経営計画の4年間で1兆9000億円、物産は06~07年度の2年間で7100億円の投資を実施済みだ。
売上高競争時代に早期より利益重視の姿勢を明確にするなど、業界の古い考えや常識を覆すさまざまな方向性を打ち出し、それを業界の常識としてきた感がある。先駆的に実施してきた施策や改革には、情報産業グループの新設、特金・ファントラの整理、連結経営重視へのシフト、有利子負債倍率の改善――等々、枚挙にいとまがない。
米、欧、アジア、中国などは総支配人制、アフリカや中近東は本社直轄。
この経営は理想的ではあるが、駐在員は部門長と現法社長の意見が食い違った場合どちらに従ったらよいのかなど、まだまだ問題はある。しかし、縦と横の連携により総合力の発揮に向けた体制としては、かなりの進展と言える。
介護関連分野は、00年の介護保険制度の導入でかなり期待されたが、制度改正などの影響もあり、やや医療関連分野に比べ、注目の事業が少ない感は否めない。
食品卸再編への対応は他商社も積極的で、東武ストアやマルエツに出資する丸紅はダイエーの支援でイオンの資本参加を受け入れ関係を強化したほか、冷凍食品問屋ナックスカナムラや菓子却の山星屋を子会社化した。
しかし、1970年代後半以降は鉄冷えとなり、高炉と自動車など大口ユーザーの直取引や口銭率の見直しなどで商社の存在価値は薄れ、バブル崩壊や99年代のアジア危機でついに高炉メーカーの再編が起こり、商社では2001年に伊藤忠と丸紅の鉄鋼製品部門が伊醸忠丸紅鉄鋼に、凶年に商事と旧日商岩井の鉄鋼製品部門がメタルワンにそれぞれ分社統合するに至った。ただし、物産と住商は鉄鋼製品部門を社内に維持し続けた。
環境負荷低減関連では、伊藤忠商事の麦わら専焼ボイラー製造会社への出資が注目される。これは混焼ではなく、麦わらだけで発電用のボイラーとして機能するのが特徴で、収穫後の麦わらを使うのも環境に優しい。
トーメンは99年3月期と年3月期の2度にわたる銀行の債務免除とトヨタグループの経営支援を受けて、経営再建策を推進し、02年4月についに豊田通商と合併した。
特に最近は、起業家人材研修や中国語研修などが各社で盛んに行なわれている。また、一定期間に複数の部署を経験させて人材を育成するCDP(キャリア・デベロップメント・プログラム)制度や、本人の意志を反映させて適材適所を図るFA制度なども充実してきでいる。
商社の歴史
- 2022-05-26
- 三井財閥の成長の原動力となった「中途採用」者
- 2022-05-25
- 戦争と商社
- 2022-05-24
- 重化学工業化進展と商社斜陽論
- 2022-05-23
- オイルショックと商社批判
- 2022-05-22
- 商社を襲ったスキャンダル
- 2022-05-21
- バブル崩壊と商社
- 2022-05-20
- 明治維新後